【危険物取扱者】危険物の物性について解説!引火点、燃焼点、発火点はそれぞれどのような意味があって何が違うの?

危険物取扱者

こんにちは!テツです!

引火点、燃焼点、発火点という言葉を聞いたことがあると思いますが、それぞれの違いについてよく分からない方もいると思います。

そこで、この記事では、引火点、燃焼点、発火点について解説したいと思います。

この記事で分かること

  • 引火点、燃焼点、発火点の違い
  • 燃焼範囲
  • 物質の物性と危険性の関係
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危険物の物性

引火点

引火点とは、可燃性物質(液体)が燃え出すのに必要な濃度の蒸気を液表面付近に発生する最低の液温です。

可燃性物質の温度がその物質の引火点よりも高い時は、熱源の存在により引火する可能性が高くなります。引火点が低いものは高いものに比べて危険です。

~主な第4類危険物の引火点~

物質引火点(℃)
特殊引火物ジエチルエーテル-45
二硫化炭素-30
第1石油類ガソリン-40
トルエン4
アセトン-18
アルコール類メチルアルコール11
エチルアルコール13
第2石油類灯油40~60
軽油50~70
酢酸40
第3石油類重油70~150
エチレングリコール111
グリセリン160
第4石油類ギヤー油220
動植物油菜種油163

 

燃焼点

燃焼点とは、燃焼が継続するのに必要な最低の液温です。つまり、燃焼点以下にすることで燃焼を妨げることができます。

同一物質では、一般に燃焼点の方が引火点より高くなっています。

 

発火点

発火点とは、空気中で可燃性物質を加熱した時に、火源を近づけることなく、自ら発火する最低の液温です。

発火点が低いものは高いものに比べて危険です。

同一物質では、一般に発火点の方が燃焼点より高くなっています。

~発火点~

物質発火点(℃)
木材400~470
石炭330~450
セルロイド180
黄リン60

 

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燃焼範囲

燃焼範囲とは、可燃性蒸気と空気との混合気に点火すると急激に燃焼が起こり、燃焼が継続しうる組成範囲のことです。密閉容器内では爆発することがあります。

燃焼範囲の境界を燃焼限界といい、低い方を下限値(C1)、高い方を上限値(C2)といいます。

この範囲が広いほど、また、下限値の低いものほど引火の危険性が高くなります。

~燃焼範囲~

物質燃焼範囲(%)
特殊引火物ジエチルエーテル1.9~36
二硫化炭素1.3~50
第1石油類ガソリン1.4~7.6
アルコール類エチルアルコール3.3~19
第2石油類灯油1.1~6
軽油1.0~6.0

 

物質の物性と危険性の関係

① 燃焼範囲:燃焼範囲が大きいほど、燃焼の危険性が高くなる。

② 蒸気圧:蒸気圧が大きいほど、蒸気が多く発生するので、危険性が高くなる。蒸気圧は温度上昇と共に大きくなる。

③ 最小着火エネルギー:可燃物に着火しうるエネルギーの量は物質ごとに異なり、最小着火エネルギーが小さいほど、危険性が高くなる。

④ 電気伝導度:電気伝導度が小さいほど、静電気が帯電しやすく、放電を起こす危険性が高くなる。

⑤ 熱伝導率:熱伝導率が小さいほど、可燃物の表面温度が高くなり、燃焼が激しくなる危険性が高くなる。

⑥ 沸点:沸点が小さいほど、低い温度から蒸気を発生しやすいので、引火の危険性が高くなる。

⑦ 比熱:比熱が小さいほど、少ない熱量で温度が上昇し、引火点に達する危険性が高くなる。

 

まとめ

これらの内容をまとめると以下のようになります。

  • 引火点とは、可燃性物質(液体)が燃え出すのに必要な濃度の蒸気を液表面付近に発生する最低の液温
  • 燃焼点とは、燃焼が継続するのに必要な最低の液温
  • 発火点とは、空気中で可燃性物質を加熱した時に、火源を近づけることなく、自ら発火する最低の液温
  • 燃焼範囲とは、可燃性蒸気と空気との混合気に点火すると急激に燃焼が起こり、燃焼が継続しうる組成範囲
  • 燃焼範囲、蒸気圧は大きいほど危険
  • 最小着火エネルギー、電気伝導率、熱伝導率、沸点、比熱は小さいほど危険

 

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  1. テキストをざっくりと読んで、問題集を解く。
  2. 間違った問題を解答やテキストを見て、理解する。(間違った問題や解答時に迷った問題は印をつけておく)
  3. 再度間違った問題を解きなおす。

この流れをひたすら繰り返し、問題集で解けない問題がない状態にしていきます。

分からなかった問題はノートなどにまとめて、寝る前などの隙間時間に読み返すだけでも記憶に定着させることができると思います。

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