こんにちは!テツです!
製造所等はそれぞれ位置、構造、設備など様々な基準が設けられ、建てられています。
この記事では屋外タンク貯蔵所の基準について解説したいと思います。
この記事で分かること
- 屋外タンク貯蔵所の位置、構造、設備の基準について
屋外タンク貯蔵所 とは
屋外タンク貯蔵所とは、屋外にあるタンクにおいて、危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所です。
位置
保安距離
屋内貯蔵所は保安距離が必要です。保安距離は製造所の基準を準用します。
保安距離については以下の記事で解説しています。
保有空地
製造所は保有空地が必要です。
保有空地の幅は貯蔵する危険物の指定数量の倍数によって、屋外貯蔵タンクの側板から一定の幅の空地を確保する必要があります。
指定数量の倍数 | 空地の幅 |
500以下 | 3m以上 |
500を超え1,000以下 | 5m以上 |
1,000を超え2,000以下 | 9m以上 |
2,000を超え3,000以下 | 12m以上 |
3,000を超え4,000以下 | 15m以上 |
4,000を超える | タンク直径又は高さのうち大きいものに等しい距離以上。ただし、15m未満とすることはできない。 |
敷地内距離
敷地内距離は屋外タンク貯蔵所のみに義務づけられたものです。
この距離は屋外貯蔵タンクの火災による隣接敷地への延焼を防止するために定められています。
タンクの側板から敷地境界線まで確保しなければならない距離は次の表の通りです。
貯蔵する危険物の引火点 | ①1,000kL以上の屋外貯蔵タンクの敷地内距離 | ①に掲げる以外の屋外貯蔵タンクの敷地内距離 |
21℃未満 | 1.8D又はHもしくは50mのうち最大の数値以上の距離 | 1.8D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
21℃以上70℃未満 | 1.6D又はHもしくは40mのうち最大の数値以上の距離 | 1.6D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
70℃以上 | 1.0D又はHもしくは30mのうち最大の数値以上の距離 | 1.0D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
①は石油コンビナート等災害防止法による第1種・第2種事業所に存する屋外貯蔵タンク
D:タンク直径、H:タンクの地盤面からの高さ
構造
- 厚さ3.2mm以上の鋼板で造り、圧力タンクの場合は最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う水圧試験に、それ以外のタンクの場合は水張試験に合格したものであること。
- 地震、風圧に耐える構造とし、その支柱は鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造その他これらと同等以上の耐火性を有するものとすること。
- 内圧が異常に高くなった場合、内部のガス等を上部に放出できる構造とすること。
- 外面にさびどめのための塗装をするとともに、底板を地盤面に接して設けるものにあたっては、底板の外面の腐食を防止するための措置を講ずること。
設備
- 圧力タンクには、安全装置を設けること。圧力タンク以外のタンクには、無弁通気管又は大気弁付通気管を設けること。
- 液体の危険物の屋外貯蔵タンクには、危険物の量を自動的に表示する装置を設けること。
- 注入口は、注入ホース又は注入管と結合することができ、危険物が漏れないものであり、弁又はふたを設けるとともに、ガソリン等静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物のタンクの注入口付近には、静電気を有効に除去するための接地電極を設けること。
- ポンプ設備は、原則として周囲に3m以上の幅の空地を確保すること。
- 配管の材質は、製造所と同じ。弁については、鋳鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造ること。
- 避雷設備は、製造所と同じ。
- 液体の危険物(二硫化炭素を除く)の屋外貯蔵タンクの周囲には防油堤を設けること。
- 二硫化炭素の屋外貯蔵タンクは、厚さ0.2m以上の壁及び底を有する水漏れのない鉄筋コンクリートの水槽に入れて水没したものであること。防油堤の設置対象からは除かれる。
防油堤の基準
防油堤の基準は以下の通りです。
- 容量は、タンク容量の110%以上とし、2以上のタンクがある場合は、最大であるタンクの容量の110%以上とすること。
- 高さは、0.5m以上とすること。
- 面積は、80,000m2以下とすること。
- 防油堤内に設置するタンクの数は、10以下とすること。
- 周囲が構内道路に接地するように設けること。
- 鉄筋コンクリート又は土で造り、かつ、その中に収納された危険物が防油堤の外に流出しない構造とすること。
- 内部の滞水を外部に排水するための水抜口を設けるとともに、これを開閉する弁等を防油堤の外部に設けること。通常は、水抜口を閉じること。
- 高さが1mを超える防油堤は、おおむね30mごとに堤内に出入りするための階段を設置し、又は土砂の盛上げ等を行うこと。
まとめ
これらの内容をまとめると以下のようになります。
- 屋内貯蔵所とは、屋外にあるタンクにおいて、危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所
- 屋内貯蔵所は、保安距離、保安空地、敷地内距離が必要
- 構造、設備、防油堤にそれぞれ定められた基準がある
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- 間違った問題を解答やテキストを見て、理解する。(間違った問題や解答時に迷った問題は印をつけておく)
- 再度間違った問題を解きなおす。
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